ハンドメイド作家として活動していると、こんな風に“無償で作品をお願いされる”ことが意外と多くあります。特に相手が友達や知人だと、断るのが難しくてモヤモヤしてしまいますよね。
「友達だから」と言われると、断りにくい…。でも、無償提供が当たり前になると、自分の時間も技術も大切にできなくなってしまいます。
この記事では、そんな「無料で作って」と言われたときにどう対応すればいいのか、私の体験談を交えながら、気まずくならない断り方を5つご紹介します。
無償で頼まれた時、なぜモヤモヤするのか?
ハンドメイド作家にとって、作品を作るということは「趣味の延長」ではなく、「時間と労力、そしてスキルを使った仕事」です。
材料費はもちろん、デザインを考える時間、制作時間、梱包や発送の手間も含めると、1つの作品に数時間かかることも珍しくありません。
それにもかかわらず、
- 「友達でしょ?作ってよ」
- 「うちの子の分もついでにできるよね」
- 「お店より安くして♡」
と言われると、「私の時間や努力を軽く見られてる?」と感じてしまうのは当然のこと。
私が一番つらかったのは、出産祝いに「名前入りのスタイを無料で作って」と頼まれたとき。材料費がかかるし、名入れは失敗できないからすごく神経を使う。
それなのに「手作りってあったかくてタダなのがいいよね〜」なんて言われたときは、本当に悲しくなりました…。
無償依頼にどう対応する?気まずくならない断り方5選
1. 「ありがたいけど、今はオーダー受付を休止中です」とやんわり断る
これは私が実際によく使っていた方法です。
「オーダー受付を一時休止している」と伝えることで、角が立たずにお断りできます。

「声をかけてくれて本当に嬉しいんだけど、現在オーダー制作は一時お休みしていて…。ごめんね!」
相手に悪意がない場合、「あ、今は無理なんだな」とすんなり引き下がってくれることが多いです。
2. 材料費・制作費を明確に伝えてみる
もし相手との関係性が近く、丁寧に話せる相手なら、「無料ではできない」ということをはっきり伝えてみましょう。実際にかかる費用を具体的に示すことで、真剣に作っているという姿勢が伝わります。
私も「小さなピアス1組くらいなら」と思って作ったら、後から「ネックレスもセットで♡」と追加注文されてしまった経験があります。そうならないためにも、最初にきちんと伝えるのが大切。

「材料費と制作費を合わせて2,500円くらいになるかな。よかったら受けるよ!」
意外と「それなら大丈夫!」と快く支払ってくれる人もいます。逆にお金を出す気がない人は、そこで諦めます。
3. 「このデザインはショップで販売中なんだ」と案内する
商品として販売している作品であれば、「販売ページをご案内する」という形で誘導するのも効果的です。販売中の商品を「無料でちょうだい」と言われた場合には、この方法が有効。
私もminneで販売していたピアスを「無料で作って♡」とお願いされたことがあり、「ありがとう!その商品、今ショップに出してるから見てみて♪」とURLを送ったら、そのまま購入してくれたこともありました。

「ありがとう!そのデザインは今ショップで販売してるの。こちらに載ってるよ〜」
やんわりしつつ、「無料では提供していない」ことを暗に伝えることができます。
4. 他の仕事やスケジュールを理由にする
「今、納期が立て込んでいて」など、制作時間がとれないことを理由にするのも自然な断り方です。
私は育児と両立しながらハンドメイドをしていた時期、「夜中しか作業時間がない」という状況だったので、「今は家庭の都合でオーダー受けられないんだ」と伝えることも多かったです。

「最近オーダーが立て込んでいて、対応が難しいの。本当にごめんね…!」
これなら罪悪感なく断れるし、相手も納得しやすいです。
5. 同じハンドメイド仲間の事例を引き合いに出す
直接断るのが難しいときは、「他の作家さんも無料では受けてないんだよね」という話を交えてみるのも手です。
私の友人が同じような状況で、「無料依頼が続いて、制作が嫌になってしまった」という話をしたとき、「それは辛いよね…」と相手の表情が変わりました。そうした“第三者の視点”を挟むと、伝わりやすいこともあります。

「知り合いの作家さんも、無料オーダーが続いてすごく大変だったって言ってて…。私も同じ気持ちだから、気持ちはすごく嬉しいんだけど、ごめんね」
“あなただけに言ってるわけじゃない”というニュアンスが伝わるので、関係を悪化させずにすみます。
無料で作るかどうかは「自分で決める」
無償提供を完全に否定するわけではありません。
大切な友達や家族に、心を込めてプレゼントしたいと感じたときには、無償で作っても良いと思います。でも、それはあくまで「自分の意思で」「納得して」作ることが大事です。
相手に遠慮して断れずに作ると、
- 作業が楽しくない
- 感謝されずにモヤモヤする
- 他の人からも「タダで作って」が増える
など、どんどん苦しくなっていきます。
私も以前、無償で頼まれたことが続いて、「何のために作ってるんだろう…」と悩んだ時期がありました。でも、「無料ではお受けしていません」と言えるようになってからは、気持ちよく制作に向き合えるようになりました。
あなたの時間と技術は“価値あるもの”です
ハンドメイド作品を「無料で作って」と言われたときに、気まずくならずに断る5つの方法をご紹介しました。
- オーダー休止中と伝える
- 費用を明確に提示する
- 販売ページを案内する
- スケジュールを理由に断る
- 他作家の事例を引き合いに出す
大切なのは、「私の作品には価値がある」ということを、まずは自分自身が信じること。
断ることは、相手との関係を壊すことではありません。むしろ、自分の気持ちを大切にした上で誠実に対応することで、より良い関係を築くことができます。
あなたの素敵な作品が、心から喜んでくれる人のもとに届きますように。
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