気になる商品を見つけたとき、多くのお客様が次にチェックするのが「プロフィール欄」です。
「どんな人が作っているんだろう?」――そんな思いから作り手の情報を確認することで、安心感や信頼につながり、「この作家さんから買いたい」という気持ちが生まれます。
プロフィールには、作品だけでは伝えきれないあなたの世界観や人柄がにじみ出ます。だからこそ、購入を後押しする大切な要素なのです。
この記事では、お客様に選ばれるためのプロフィールの書き方を、ポイントごとにわかりやすくご紹介します。
なぜプロフィールが重要なのか?
作品を見て「かわいい!」「素敵!」と思ってもらった後、多くのお客様が次に確認するのがプロフィール欄です。
私も実際に、minneで自作の布小物を販売していたとき、購入してくださったお客様から「プロフィールを読んで、丁寧に作っていそうだったから安心して注文できました」という声をいただいたことがあります。
プロフィールには、以下のような役割があります。
- 作家の人柄や世界観を伝える
- 商品の背景を補足する
- お客様に安心感を与える
- 信頼関係を築く
お客様は、あなたの作品に興味を持っていますが、「買っても本当に大丈夫かな・・・?」と思っています。プロフィールを丁寧に書くことで、お客様の背中をそっと押してあげることができます。
プロフィールに書くべき内容
1. 作品づくりのきっかけ
「小さい頃からおばあちゃんに教わった編み物がきっかけで……」
「育児の合間に作ったスタンプが評判になって……」
など、自分がなぜハンドメイドを始めたのか、その原点をストーリーとして伝えましょう。
私の場合、長女の入園準備で作った布バッグがママ友に褒められたことがきっかけで、販売を始めました。人に褒めてもらえたことが自信になり、プロフィールにもそのエピソードを書きました。
2. コンセプトや想い
「毎日にちょっとした癒しを届けたい」
「使い心地とデザイン、どちらも大切にしたい」
など、自分が作品に込めている思いを書きます。お客様は「ただの雑貨」ではなく、「その背景ごと」買ってくださるのです。
人は「背景を知れば知るほど愛着がわく」ものです。
ただ「素敵なバックです」と言われるよりも、「これは京都の伝統工芸を現代風にアレンジしたものなんですよ」と説明されたら興味がわくのではないでしょうか。そして、友達に褒められた時も話題になりますね。
3. 制作環境や日々の様子
「海辺の町の小さなアトリエからお届けしています」
「京都の町家で、子育てと仕事を両立しながら制作中」
など、生活の風景や制作風景を入れることで、お客様の想像力をかき立てます。私もプロフィールに「子どもが昼寝している間にミシンを動かしています」と書いたところ、「同じ子育て中で親近感がわいた」とメッセージをいただきました。
4. 実績や経歴
- ショップを始めた年
- 累計販売数
- 資格
- 掲載メディアやイベント参加実績
実績があれば、しっかり書きましょう。ただし、「お客様が安心する」ことを意識した書き方にしましょう。
5. 購入者へのメッセージ
最後に「購入してくださる方への感謝」や「今後の活動予定」などを書いて、温かく締めくくると好印象です。
避けた方がよいNG表現
プロフィールには避けた方がいい言い回しもあります。以下は実際にありがちですが、信頼性を下げる可能性があるので注意が必要です。
- 「暇なときに作っています」
- 「マイペースで活動中です」
- 「資格取得のため勉強中です」
私も初期の頃、「自分にはまだ自信がないから」と思って「趣味でやってます」と書いていたことがありましたが、ある先輩作家さんに「もっと堂々とプロとして見せていいんだよ」とアドバイスをもらって書き直しました。
それだけで、お客様からの反応もガラッと変わりました。日本人はついつい謙遜してしまいがちですが、それではお客様も「この人から買って大丈夫かな・・・」と心配になってしまいます。
自分を守ったり謙遜することではなくて、お客さんがそれを読んで安心するか?期待が高まるか、ワクワクするか?ということを考えてプロフィールを書いてみましょう。
コンセプトを考えるときのヒント

コンセプトを作ろうと思っても、うまく言葉にできない
そんなときは、次のような視点から考えてみてください。
- 自分がなぜこの商品を作ろうと思ったのか?
- 「今の世の中に足りない」と感じることは?
- その作品で、お客様にどんな変化や喜びを届けたいか
たとえば、こんな気持ちが見えて来るかもしれません。
- 「情報が溢れる時代だからこそ、手書きの温かさを大切にしたい」
- 「日常の中に小さなときめきを届けたい」
- 「私の作品を使うことで手に入れられる未来」
- 「こんなものがあったら、もっと便利(今はちょっと不便)」
自分のアトリエに遊びに来てくれたお客さんに話すように力を抜いて書いてみましょう。
自分でも気づかなった想いに気づくかもしれません。
ちょっと背伸びして、自分の物語を伝える
プロフィールを書くときは、”ちょっと背伸びした自分”を想像してみてください。
自分を2倍よく見せるくらいで大丈夫です。それは「ウソ」ではなく、「理想に向かう過程」です。お客様は、そんな前向きな姿勢や誠実さに惹かれるのです。
そして、プロフィールを通して伝わる”世界観”こそが、リピーターを生み出し、あなたの作品にファンがつく一番の要素になります。
プロフィールの例文
ここまでお伝えしたことを入れて、プロフィールの例を書いてみました。
小学生のころ、祖母に編み物を教わり、学校でも手芸クラブに入り、そのころ流行っていたあみぐるみをたくさん作りました。
大きくなってあまり編み物はしなくなりましたが、子どもが生まれたのをきっかけにまた編み物をしてみようと思い、近くの教室に通い始めました。
赤ちゃん用のいい靴下がなかなか売っていないと思うようになり、「赤ちゃんのふっくらした足を締め付けない」、「肌触りの良い綿の靴下」を作って我が子に履かせたところ、子育てセンターであったママさんたちからも「ほしい、作って」と言われるようになり、2016年には赤ちゃん用の靴下とレッグウォーマーのショップを始めました。
2020年には私のショップが子育て雑誌にも掲載され、「赤ちゃんがいやがらない靴下」として紹介されました。
子育てをしながら、朝の静かな時間に窓辺で丁寧に編んでいます。
当ショップの靴下が、赤ちゃんの足を心地よく守り、ママさんたちのストレスを少しでも減らせたらとても嬉しいです。ここまで読んでくださってありがとうございます。
このプロフィールを参考に、作品作りのきっかけ、日々の制作の様子、経歴、お客様の生活のどうよくするか、が伝わるようなプロフィールを書いてみましょう。
この人から買いたいと思ってもらえるプロフィールを書こう
プロフィールは、単なる「自己紹介」ではありません。お客様に「この作家さんから買いたい」「この人の作品なら大丈夫」という安心感と憧れを与え、購入の背中を押す「信頼構築ツール」です。
作品への想い・日々の制作の様子・実績やこだわり・お客様への想いを丁寧に綴ることで、「この人から買いたい」という気持ちが自然と生まれてきます。
あなたの作品の良さをもっと多くの人に届けるために、 プロフィールを見直してみてくださいね。
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