メルカリでハンドメイド作品を販売していると、確定申告の季節になるたびに「これは経費?売上?私物?」と頭を抱えてしまう方も多いのではないでしょうか。
私自身、簿記2級の資格を持っていても、初めての申告では正直ちんぷんかんぷん。特にメルカリで私物とハンドメイド品を一緒に販売していたため、どうやって区別すればいいのか分からず、税務署まで足を運ぶことになりました。
この記事では、実際に「税務署で聞いてきた“簡単に売上と私物を分ける方法”」を、私の体験談を交えながら分かりやすく解説します。
ハンドメイド作家がメルカリで私物を売ったら税金はかかるのか
プライベートな私物ってなにがあてはまる?
私物とは、例えば自分用に買ってみたけど色が合わなかった化粧品とか、小さくなった子供の服とかです。
「商品にしようと思って仕入れたものではない物」のことですね。
メルカリは1人につき1つのアカウントしか所有できないので、メルカリでハンドメイド作品を主に販売していても自分の不要になった私物を出品したくなることもあると思います。
もちろん、そういったプライベートなもの、私物を売ったものについては税金はかかりません。
でも、売上金はまざってしまいますよね。
メルカリから銀行に振り込み申請をして、それが全部ハンドメイドの売上金だったらよいのですが、混ざっていたら確定申告の時に困ります。
税務署に行って聞いてきた
青色申告会の相談員さんにもたびたび質問していたのですが、「それは税務署に直接聞いた方が早いかもしれませんね」と言われたことをきっかけに、思い切って最寄りの税務署へ足を運ぶことに。
しかし、受付の方に「メルカリでハンドメイド品と私物を両方売っていて…」と説明しても、最初はピンときていない様子。話がなかなか通じず、結局ベテランの男性職員さんに交代してもらいました。
その方は「なるほど、それは最近多いご相談です」と言いながら、丁寧にノートを取り出して図解までしてくれました。このときのメモは、今でも確定申告の時期になると引っ張り出して確認しています。
税務署の職員さんが教えてくれた一番簡単な方法
何とか説明が通じて、税務署の職員さんが売上金からプライベート分を引く一番簡単な方法を教えてくれました。
丁寧に図を書いて教えてくれたので、4年ほどたった今でも大切に保管しています。

1.すべての売上金をまとめて計上する
その方法とは、まずメルカリの売上金は全額を定期的に銀行に振り込みます。
そして普通預金出納帳の帳簿入力では、勘定科目は「売上」としておきます。
仕訳は
普通預金10000/売上10000
です。
この時点で、この中にプライベートなものを売った金額も入っていても大丈夫です。
2.決算整理仕訳でプライベート分を引く
実際に私が行っているのはこの方法です。
メルカリの売上は、毎月まとめて銀行口座に振り込むようにしていて、その全額をまず「売上」として帳簿に記録。その後、確定申告のときに1年間で私物を売った合計金額を決算整理仕訳で“引く”ようにしています。
たとえば去年は、使わなくなったベビー服や読み終わった絵本などをメルカリで売って、その合計が3,200円になりました。
これを申告のときに
売上3200/事業主借3200
と記帳しました。
この仕訳のおかげで、税務署からも「問題ありません」とお墨付きをもらえました。
これが、メルカリでハンドメイド品を販売した売上と、プライベートなものを売った金額を分ける一番簡単な方法です。
ハンドメイド売上と私物を売った金額を分けるその他の方法
メルカリでハンドメイド作品の売上と、プライベートな私物を売った金額を分ける方法は他にもいくつかあります。
売上金のみ分けて銀行振込する
売上金を銀行に入金するときにハンドメイド作品の売上金だけしっかり計算して、その分だけを銀行に入金し、勘定科目を売上金にする。
売上金の仕分け
普通預金10000/売上金10000
この場合、プライベートなものを売った金額はメルカリ内でそのままポイントとして買い物に使用するか、別に銀行振り込みして勘定科目を事業主借にする。
プライベート分の仕分け
普通預金2000/事業主借2000
この方法だと決算整理仕訳はしなくていいですが、2回に分けて振り込むので振込手数料200円が2回かかることになります。
仕訳帳に取引ごとに入力する
売上金を銀行振込せずにそのままメルカリ内のポイントとして使用するなどした場合、
仕訳帳に取引ごとに入力することになります。
○月○日 事業主貸 1000円/ポイント売上 1000円 (適用)メルカリハンドメイド品
などと、1つ売り上げるごとに入力します。
毎日いくつも売れている方はたくさん入力しないといけないので大変ですね。
やはり、すべて売上金で銀行振込しておいて、年末に調整するのが一番簡単だと思います。
色々相談できる青色申告会
青色申告会には、ハンドメイドを始めた当初からずっとお世話になっています。
「事業所得として計上する?雑所得?」「材料費の範囲は?」など、ネットだけでは分かりにくいことも、担当の方がやさしく一つ一つ教えてくださるので、毎年なんとか乗り切れています。
とくにありがたいのは、毎年1月ごろから始まる「決算書の記入サポート会」。わからない項目があればその場で相談できて、本当に助かっています。
税理士不要?!ハンドメイド作家におススメの青色申告会。確定申告のことをなんでも相談できる
また、税務署へ電話したり直接行ってみても意外と丁寧に教えてもらえたりします。
「メルカリ」など新しい言葉は年配の方には通じなかったりしますが、こちらからも根気強く説明して、正しい申告ができるように一緒に考えてもらいましょう。
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