ハンドメイド作家として作品を販売していると、「もっとたくさんの人に見てもらいたい」「SNSで頑張ってもすぐ投稿が埋もれてしまう」と感じたことはありませんか?
私もその一人でした。minneやCreemaに出品し、Instagramを頑張ってはいるものの、検索からの流入は少なく、Instagramは投稿してもすぐに流れていく…。そんな時に出会ったのがPinterest(ピンタレスト)でした。
Pinterestは「検索されるSNS」と言われるほど、情報の蓄積性と検索力に優れており、まさに“見つけてもらう仕組み”を作るのに最適なツールです。この記事では、私自身がPinterestを活用して集客に成功した体験談とともに、ハンドメイド作家にこそおすすめしたい理由と運用のコツをお伝えします。
Pinterestとは?(Instagramとの違い)
Pinterest(ピンタレスト)は、画像や動画を検索・保存し、自分だけのコレクションを作成・共有できる「ビジュアル探索型」のSNSです。ユーザーは気に入ったコンテンツを「ピン」として「ボード」に保存し、他のユーザーとシェアします。
2025年2月時点で、世界の月間アクティブユーザー数は5億5,300万人を超えており、日本でも利用者が増加しています。
Instagramは「今」を切り取って友人やフォロワーと日常をシェアするSNSで、自己表現やコミュニケーションが中心です。
Pinterestは「未来」の自分のためにアイデアや情報を集めて保存するプラットフォームで、インスピレーションや計画のための情報収集が主な使い方です。
Instagramは「今」を発信し「自己表現」や「交流」を重視する友人とつながるSNS、Pinterestは「未来」のためにアイデアを集めて保存するビジュアル検索・収集ツールという違いがあります。
Pinterestがハンドメイド作家に向いている理由
視覚で惹きつけるSNS
Pinterestは画像がメインのSNSです。ユーザーは画像を見てインスピレーションを得たり、「こんなの欲しかった!」と保存していきます。これは、ビジュアル重視のハンドメイド作品と非常に相性が良いんです。
Google検索との連携力
私が一番驚いたのは、Pinterestに投稿したピン(画像とリンク付き投稿)が、数週間後にGoogleの画像検索に出てくるようになったこと。InstagramやX(旧Twitter)ではまず起こりませんでした。
Pinterestのユーザーは、具体的な目的や解決策を探していることが多いです。「〇〇の方法」など、教育的なコンテンツを提供することで、ユーザーの関心を引きやすくなります。
Pinterestは他のソーシャルメディアとは一線を画し、検索エンジンとしての性質も持っています。そのため、ユーザーの検索意図を理解することが、Pinterestでの集客成功には非常に重要です。
実際、Pinterestは画像検索エンジンとも言えます。Googleの検索タブを画像検索に切り替えると、Pinterestに投稿された画像が表示されます。Googleの画像検索にもPinterestの投稿が反映されることがあります。
実際に、毎月約200~300人がPinterestから私のホームページに訪れています。比較すると、インスタグラムでは平均50人、Pinterestからは最大約200人がホームページに集客していますので、Pinterestの集客力がいかに強力かが分かります。
長期的な集客力が魅力
Instagramでは投稿後1日以内に見られることが多いですが、Pinterestでは数年前のピンがいまだにアクセスを集めてくれています。毎日投稿しなくても、コツコツ積み上げたピンが長く働いてくれるのは大きな魅力です。
Instagramなどは最新の投稿が優遇されるタイムライン型が主流ですが、ピンタレストは「ストック型SNS」として、投稿から数年が経過したピンでも、今まさに求めている人に届く仕組みが整っています。
そのため、他のSNSに比べて効果が長続きし、投稿の寿命が長いのです。実際に、私の5~7年前の商品画像が最近また保存されることもあります。つまり、ピンタレストは新しさよりも、求めている人に届くことを重視したSNSなのです。
海外のお客様に届きやすい
Pinterestは、月間アクティブユーザーが5億人以上を誇る大規模なビジュアル検索・発見プラットフォームです。特にアメリカ(約9,000万ユーザー)やブラジル、メキシコ、ドイツ、フランス、イギリスなど、欧米を中心に多くの利用者がいます。その約8割がアメリカ以外の国からアクセスしています。
Pinterestのユーザーの約7割は女性で、特に25~34歳の女性が多いのが特徴です。Pinterestは「新しいものを探したい」「購入前にインスピレーションを得たい」という目的で使われることが多く、購買意欲の高いユーザーが集まっています。そのため、海外からのお客様の流入に効果が期待できます。
- 英語タイトルや説明文、ハッシュタグを追加することで、海外ユーザーにも見つけてもらえるようにしましょう。
- 複数のテーマボードを作り、作品ごとに適切なボードにピンを分けることで、より多くのユーザーの目に触れるようにしましょう。
私がPinterestを始めたきっかけと初めての反応
私は2023年の春頃、「海外のお客様にも自分の作品を見てもらいたい」と思ったのがきっかけでPinterestを始めました。
最初は正直、「英語も苦手だし、フォロワーもいないし、見てもらえるのかな…」と不安でした。でも、試しにminneの商品ページへのリンク付きで、いくつかピンを投稿してみたんです。すると、数日後にminneのアクセス解析で、Pinterestからの流入がポツポツと出始めたんです!
「Pinterest経由でこの作品どこで買えるんですか?」とInstagramにDMをもらったこともあり、まさかの効果に驚きました。
特に、春の新作アクセサリーを投稿した際は、Pinterestからの流入が1週間で30件を超え、minneでも2点売れました。これがPinterest運用を続けるきっかけになりました。
ハンドメイド販売に活かせるPinterest運用のコツ5つ
キーワード入りのピン説明文を書く
Pinterestは検索エンジンのような側面があるので、タイトルや説明文に「和柄 ヘアアクセサリー」「成人式 髪飾り」など、検索されそうなキーワードを入れるのがポイントです。
ボードごとにテーマを明確にする
「季節のアクセサリー」「和装に合う小物」など、テーマ別にボードを作ることで、訪問者が興味ある作品をまとめて見やすくなります。
リンクは必ず商品ページへ
せっかくピンを見て興味を持ってくれても、リンクがなければ販売ページにたどり着けません。ピンには必ずminneやCreema、InstagramなどのURLを設定しましょう。
写真は明るく統一感を出す
暗い写真や背景がバラバラな画像よりも、明るく清潔感のある写真がPinterestでは好まれます。私は撮影背景を白い布に統一したことで保存率が上がりました。
ピンの投稿頻度は少なくてもOK
Pinterestでは1週間に1回以下の投稿でも十分。私も最初の2か月は週に3投稿程度でしたが、徐々にピンの閲覧数が伸びていきました。
PinterestとInstagramを連携する方法
Pinterestが集客にとても良いということがわかっても、「これ以上やるとこが増えるのは大変・・・」と思うかもしれませんね。
ハンドメイド作家は一人で企画・製作・集客・販売・発送までしていて、その上家事や子育てもしているママさんたちも多いのですから、私もよくわかります。
でもなんと、2024年からInstagramの投稿をPinterestに自動で同期することができるようになったのです!!
これで、Instagramに投稿するだけで、同じ投稿がPinterestにも投稿されることになります。
動画(リール等)も2024年10月以降、日本を含む一部地域で自動投稿に対応しています。
設定手順
- Pinterestにログイン
- Pinterestの公式サイトまたはアプリでアカウントにログインします。
- プロフィールページから設定を開く
- 画面右上のプロフィールアイコンをクリックし、「設定」または「編集」を選択します。
- 「認証済みのアカウント」を選択
- 設定メニューから「認証済みのアカウント」タブを開きます。
- Instagramを選択し認証する
- Instagramのアイコンをクリックし、「認証する」を選択します。
- ポップアップでInstagramにログイン
- Instagramにログインし、Pinterestへのアクセスを許可します(プロフィール情報やコンテンツへのアクセス権限を付与)。
- 自動公開(同期)設定を行う
- 連携が完了すると、「自動公開」設定画面が表示されます。
- Instagram投稿を自動で保存するPinterestのボードを選択します。
- 「過去90日分の投稿も自動公開する」オプションが表示された場合、必要に応じてチェックします。
- 設定を保存して完了
- 設定を保存すれば、Instagramのフィード投稿が自動でPinterestにピンとして投稿されるようになります。
これで、Instagramの投稿が自動的にPinterestに同期され、効率的に集客ができるようになります。
Pinterest経由でminneやCreemaに誘導できた実例
実際に私がPinterest経由で販売につながった例を紹介します。
2024年1月、成人式向けの「つまみ細工の髪飾り」をピンに投稿したところ、Google画像検索にも表示され始め、minneの閲覧数が約3倍に。結果的にその月だけで3件の注文が入りました。
また、海外向けに「kimono remake dress」のピンを英語タイトルで投稿したところ、アメリカからのアクセスが発生し、英語でのお問い合わせメールも来ました。翻訳アプリを使って返信し、結果的に個別販売まで至りました。
これは他のSNSでは経験しなかった、新しい販売ルートの広がりでした。
よくある質問Q&A
Q. ハッシュタグは必要? → 現時点でPinterestではハッシュタグの影響力はあまり大きくありません。キーワード検索が主流なので、説明文の工夫が大事です。
Q. フォロワーが少なくても効果ある? → 私は始めた当初フォロワーがゼロでも流入がありました。Pinterestは「投稿の中身」で評価されるため、フォロワー数より中身重視です。
Q. 英語の説明は必要? → 海外のアクセスを狙うなら、英語のタイトルや説明を添えるのがおすすめです。ただし、Google翻訳で十分通じますので、完璧である必要はありません。
「探してもらう」ではなく「見つかる」仕組みを作ろう
ハンドメイド作家がPinterestを活用する最大のメリットは、「自分から営業しなくても、作品を見つけてもらえる」仕組みが作れることです。
私は今でも、Pinterestに投稿したピンがGoogle経由で発見され、数ヶ月後に注文につながるということがあります。一度投稿したピンが“資産”のように働いてくれるのは、他のSNSにはない強みです。
まだPinterestを始めていない方は、ぜひこの機会に一歩踏み出してみてください。私のような無名の作家でも、コツコツと続けることで、新しいお客様との出会いが生まれます。
あなたの作品が、世界中の「探している人」の目に届きますように。
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