ハンドメイド販売のブランディングとは?価格競争に巻き込まれない!高価格でも売れる!

ハンドメイド作品を販売する中で、どうしても避けられないのが「価格競争」。特に、同じような商品が溢れているオンラインショップでは、価格だけで比較されていしまうことが多くあります。しかし、「ブランド」としての独自の価値を伝えることができれば、値下げせずとも、高価格で売れることが可能です。それを実現するために重要なのが「ブランディング」です。

では、ハンドメイド販売におけるブランディングとは具体的にどのようなことなのでしょうか?今回は、ハンドメイド作品を高価格で販売するための「ブランディング」について、詳しく解説します。


ハンドメイド作品のブランディングとは?

ブランディングとは、簡単に言うと「自分の作品や作家としての自分自身が持つ独自の価値やイメージ、世界観を明確にし、それをお客様と共有・認識してもらう活動」です。

特にハンドメイド作品においては、他の作家や作品と差別化するために、自分だけの個性やスタイル、コンセプトを明確に伝えることが大切です。

  • ブランディングとは、「○○といえばあなた!」と思い浮かべてもらえるようなポジションを目指すこと
  • 作品のデザインやブランド名、ロゴ、パッケージ、SNSでの発信など、あらゆる面一貫したイメージを持たせることで、お客様に「あなたの世界観が好き」と思ってもらえるようになる。

なぜブランディングが必要なのか?

選ばれる理由を作るため

ハンドメイド市場には多くの作品が溢れているため、競合と差別化を図り、お客様に選ばれる理由を作ることが非常に重要です。

価格だけでは、次々に他の作家と競り合うことになりますが、ブランドが確立されていると、「安いから買う」のではなく「あなたから買いたい」と思ってもらえるようになります。

価格競争に巻き込まれにくくなる

ブランドが確立されることで、価格競争に巻き込まれることが少なくなります。
例えば、高価格に設定したとしても、その価格に見合うだけの価値を提供できていれば、お客様は納得して購入してくれます。

価格競争から抜け出し、むしろ価値を認めてもらうためには、強いブランドが不可欠です。

ファンやリピーターが増える

ブランディングがしっかりとできていると、単なる購入者ではなく、あなたの作品や世界観に共感したお客様がファンとなり、継続的に作品を購入してくれるようになります。

ファンやリピーターの増加は、ブランドの成長を加速させます。


ブランディングの具体的なやり方

ブランドストーリーやコンセプトを明確にする

まず、どんな想いで作品を作っているのかじっくり考えてみましょう。

自分が作るものに対する情熱やこだわりがぼんやりしていたら、具体的に言葉にしてみます。

例えば、あなたは昔コンプレックスがあってそれを隠すために今の作品を作り始めたかもしれません。

相手に伝わる言葉で発信することで、お客様はあなたの想いに共感しやすくなります。

ターゲットを明確にする

次に、どんなお客様に向けて販売しているのかを明確にします。

ターゲット層に合わせて、発信する内容や作品のテイストを揃えることが大切です。
例えば、「大人の女性向けのシンプルで上品なアクセサリー」といったように、ターゲット層を意識して作品を作り、マーケティングを行いましょう。

ペルソナを設定する

ペルソナという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ペルソナとは、あなたの作品を買ってくれる人はどんな人かを具体的に想像してみること」です。

その人の性別、年齢、家族構成、住んでいる地域、子どもは女の子か男の子か、仕事、休みの日は何をしているか、どんな悩みがあるか等を想像してみます。絵を描いてみてもいいでしょう。

そうすると、その人が求めているもの、どんな言葉に惹かれるかが見えてきます。

競合作家を調査する

あなたがレジンアクセサリーを作っているなら、同じレジンアクセサリーを作っている作家さんを調査します。似たような作品、価格帯が多い中で、価格が高くても売れている作家を見つけます。その作品が高くても売れているのはなぜかを考えます。

例えば、エコな素材を使っているのかもしれませんし、金属アレルギーのある人にも使える素材を使っているのかもしれません。Instagramやブログで自分の家族のことを面白く書いていることがファンを作っていることもあるでしょう。そういう秘訣を見つけて、自分の作品にも取り入れていきます。

一貫性を持って発信する

SNSの写真や販売ページ、パッケージなどで、一貫したイメージを伝えるようにすることが大切です。そうすることでブランドがより強く印象づけられ、素人感がなくなります。

例えば、「クールでかっこいい作品」と「「かわいいふんわりした商品」の両方を作れる場合でも、どちらかに絞った方が本当に求めているお客様にささりやすいです。

Instagramやホームページのイメージも統一しましょう。

ラッピングにこだわる

高級ブランドを観察する

高級ブランド品が、高価格でもなぜ売れているのかを観察してみましょう。

きっと白いビニールの袋で渡されたりはしないでしょう。

包装紙に包まれ、リボンをかけられ、しっかりした紙袋に入れて渡されるでしょう。

素敵なカードも入っていて、なかなか捨てられなくて取っておくかもしれません。

私も最初は「どうしたらもっとお客様に安く届けられるか」ばかりをを考えていました。

しかし、ブランディングとは、「どうしたらお客様にもっとワクワクを届けれるか」を考えることだと気づいたのです。

もちろん、コンセプトが「エコ」や「地球に優しい」ということであれば、高級感を出すよりも、再利用したものでラッピングする方が、一貫したイメージとなります。

オリジナルロゴを作成する

「○○であればあなたのお店」とお客様に思っていただくためには、一目でわかるロゴマークは必須です。

Canvaで自分で作成することもできますし、ココナラなどのスキルマーケットでプロのデザイナーに安価で作ってもらうこともできます。

そのロゴを使用した自分だけの素敵なラッピングを考えてみましょう。

ラッピング用の素敵な包装紙やリボン、段ボールはストアエキスプレスで購入できます。

写真にこだわる

インターネットで商品を販売する場合、お客様は写真だけを頼りにあなたの作品を購入するかどうかを決めることになります。

実際に手に取ったような親切で魅力的な写真が撮れるかどうかはブランディングにとても重要です。

  • 明るい写真を撮る
    ライトやレフ版を使って明るい写真を撮りましょう。
  • 大きさのわかる写真を撮る
    手で持ったり、ものを入れたりした写真を撮りましょう。
  • 使う場面を想像できる写真を撮る
    実際にどんな場面で使うのか、お客様が想像できると「自分も必要だ」と感じてもらいやすくなります。
  • 色や質感が正確に分かる写真を撮る
    届いてみて、色が違ってがっかりしたり、逆に素敵な質感が伝わりにくいと残念な写真になります。加工するなどしてできる限り実物に近い写真を撮りましょう。
  • こだわりの伝わる写真を撮る
    ポケットがあったり、裏地がついていても、写真だけでは伝わらないことがあります。お客様が実際に手に取った時にどこを見るか考えて写真を撮りましょう。
  • 世界観を表現する背景や小道具を使う
    あなたの作品を引き立たせる小道具を使いましょう。
    レースのカーテンやアンティーク風の小物が合うかもしれませんし、大理石などのクールなものが合うかもしれません。背景をいつも同じにすることによっても、お客様に覚えてもらいやすくなります。

ホームページを作る

「ホームページさえ作れば売れる」という時代は終わりました。しかし、ホームページは住所のようなもので、SNSだけ持つよりも安心感を持ってもらいやすいです。SNSだけだと、作家の気分によってお店がなくなってしまったら修理してもらえるのか?などの心配ができます。ホームページも作ることで「安心して購入できるお店」と思ってもらいやすくなります。

ライン公式アカウントを作る

ライン公式アカウントもホームページと同じで、信頼していただくために作っておいた方がいいです。マルシェであったお客様にライン公式アカウントのカードを渡しておくなら、あとから思い出してもらえます。
登録してくれたお客様だけにセール情報を発信することで、他の作家さんにお客様が流れてしまうことも防ぐことができます。

自分のハンドメイド作品を最初から高単価に設定する大切さ

ハンドメイド作家の中には、「最初は他の作家よりも安い価格設定にしておいて、フォロワーや口コミが増えてから徐々に価格を上げていこう」と考える人もいます。

しかし、その考え方は危険です。

低価格で販売しているときのあなたのフォロワーやファンは、「価格であなたの作品を選んでいる」可能性が高いからです。せっかくファンを集めても、価格が上がるにしたがって離れて行ってしまうでしょう。

では、最初から高単価に設定する秘訣は何でしょうか。

ハンドメイドマーケットに頼らない

最初から高価格に設定するための秘訣は「ハンドメイドマーケットに頼らない」ということです。

minnneなどのハンドメイドマーケットは「ハンドメイド作品が好き」「何か買いたい」と思っているお客さんが集まるというメリットがある一方、「値段で比較されやすい」というデメリットがあります。自分の作品を「お気に入り」登録されても、「もっと安いものはないかな?」と他の作家さんの作品と比べられてしまうのです。

ブランディングするためにおすすめはInstagramです。Instagramで魅力的な写真からファンを増やし自社ショップ(ShopifyやBASEなど)へ誘導して販売します。商品数が少なくて自社ショップを持つ手間をかけられないときは、Instagramのメッセンジャーからお客様と直接やり取りをして自分の口座に代金を振り込んでもらい商品を発送する方法でも大丈夫です。

ハンドメイドマーケットは全く活用しないということではありません。
自分の作品をたくさんの人に見てもらうことは大切なので、余力があればハンドメイドマーケットにも出品し、Instagramに誘導することで、ハンドメイドマーケットにいるお客様もファンになってもらうことができます。

自分のブランドに投資を惜しまない

「まだ売れるかどうかわからないのにお金をかけられない」と思うかもしれません。

でもあなたの作品に一番愛情を持っているのはあなたではないでしょうか。

「これはお客様に喜ばれるはず」「この作品の良さをたくさんの人に知ってもらいたい」「これを買うことでたくさんの人が幸せになれる」と一番信じているのではないでしょうか?

そのためには、あなたの作品を多くの人の目に留まるようにしなくてはいけません。

そのためには、やはり投資は必要です。

まずは写真を明るく魅力的に撮るためにライトや、小物を揃えましょう。

私は洋服などの大きいものを撮影するスペースのために壁に漆喰を塗り、木目調のクッションフロアを敷きました。ライトも3台使っています。

売れたら少しずつ揃えていこうと思うかもしれませんが、ブランディングしないと売れないのですから、最初からブランドの価値を上げておくメリットは多いです。

低単価から始めてしまった場合はどうしたらいいか

最初から高単価に設定することが大事と聞いて、「そうは言ってももうハンドメイド販売を始めてしまったし・・・」という方も多いと思います。

そういう方には値上げするときの秘訣をお伝えします。


他のハンドメイド作家がブランディングに成功した方法

実際にブランディングに成功した作家はどのような取り組みをしていたのでしょうか?以下の方法を参考にしてみましょう。

ブランドコンセプトの明確化と一貫性

成功した作家は、まず自分がどんな作家で、どんな世界観を届けたいのかを明確にし、ブランド名やロゴ、作品のテイスト、ターゲット層をしっかり設定しています。これにより、自分の個性や強みを一貫した形で発信し続け、ファンを獲得しています。

ストーリーテリングと共感の創出

作品の背景や制作過程、作家自身の想いをSNSやブログで積極的に発信し、消費者の共感や関心を引き出すことが成功の鍵となっています。作品に込めた思いや、作家としての情熱を伝えることで、お客様に「この作品を作った作家が好き」と思ってもらえるようになります。

複数チャネルでの販売と認知拡大

minneやCreema、自分のネットショップ、リアルイベントなど複数の販売チャネルを活用することで、安定した集客と売上を実現した事例もあります。SNSや検索エンジンからの流入を増やし、幅広い層に認知を広げています。

独自性の追求と差別化

他の作家と差別化するために、独自の技法や未使用の素材、特異なデザインを追求し、自分だけの個性を前面に出しています。誰か特定の人に喜んでもらえる作品を意識して制作し、その経験を積み重ねることでブランド力を高めることができました。

私の知り合いは50代で刺繡が得意でした。しかし、チェックの生地にカラフルな刺繍という少し昭和感のある作風だったので、一緒に刺繍で売れている作品を調査し、白いリネンに白い刺繍という作品が高単価でも人気があることがわかり、そういう作品を作ったところ、人気店になりました。

私は「小さなお店始めました。」という本を古本屋で購入したことがあります。

とても素敵なDIYやハンドメイド作家さんのお店が載っていました。

たいていが自宅で小さく始めたもので、インターネットが広まり始めた時期でした。

そこに乗っていたお店のURLを調べたところ、ほとんどのお店がもうお休みしているか、廃業していました。

その中で一つだけ、現在もやっているお店がありました。DIYで家具を作っている作家さんでしたが、今はDIYの資材を扱う大きなお店になっていました。

私はこれを見て、ハンドメイドを薄利多売でやっていくのは無理なんだ、ブランディングしてお店を大きくしていくために勉強し続けることが大切なんだと学びました。


あなたのハンドメイド作品もブランディングして高価格に!

ハンドメイド作品のブランディングとは、単に作品を販売することだけではなく、自分の作家としてのアイデンティティや作品の世界観を明確にし、それをお客様に伝え続ける活動です。

自分の「らしさ」を打ち出し、価格競争に巻き込まれずに独自の価値を提供することで、高価格でも売れるブランドを作ることができます。

  1. ターゲットと競合の調査・現状分析
  2. ブランドの目的・ミッションの定義
  3. ブランドの個性・強みの明確化
  4. 目標設定・ブランドアイデンティティの確立
  5. ブランドの実装・発信
  6. 効果測定と改善

ブランディングを進める際は、段階を踏んで一貫した戦略をとることが成功への近道です。あなたの作品をブランド化し、他の作家との差別化を図ることで、価格競争から抜け出し、強いファンを育てることができるでしょう。

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